仏教寺院の庭の種類

ガイド試験勉強中のかたへ

楽しく勉強できてらっしゃいますか?

それとも、うんざりしていますか?

暗記が苦手な私は結構うんざりしてました、、、。

覚えることいっぱいありますよね~。

日本の庭の種類も必須ですよね~。

私なりにまとめてみました。お役に立てれば幸いです。

目次

名称羅列

回遊式庭園

(画像は東寺)

歩いてまわって楽しむタイプの庭

舟遊式(しゅうゆうしき)

(画像は大覚寺)

舟でまわって楽しむタイプの庭

鑑賞式

(画像は圓通寺)

部屋から眺めるタイプの庭

枯山水式(かれさんすいしき)

(画像は大徳寺大仙院書院庭園)

水を使わず、砂、石、植物だけを使って自然を表現した庭。画像の大徳寺大仙院書院庭園はガイド試験によく出るお馴染みのやつです。

池泉式(ちせんしき)

(画像は大覚寺)

人工の池が主役の庭。

大覚寺は合わせ技で池泉舟遊式(ちせんしゅうゆうしき)と呼べます。

築山式(つきやましき)

(画像は智積院)

人工のミニチュアの山が主役の庭

築山泉水式(つきやませんすいしき)

(画像は智積院)

築山が主役の庭に水を引いた庭。合わせ技で智積院の庭は築山泉水鑑賞式と呼べます。

ただ、現場では池泉築山鑑賞式と呼んでいる人もいます。『式』があったりなかったりこのへんあいまいです。あいまいでいいんだと思います。重要なのは、言葉を聞いてどんな庭かある程度イメージが湧くかです。たとえばしおりに『池泉築山鑑賞式庭園』と書いてあってお客様に「何これ」と聞かれたらすぐ「人工の山と池があって部屋の中から見るタイプの庭」と言い換えられるくらいの理解があったらそれでいいと思います。ガイド試験も選択肢問題なのであいまいで行けますしね♪

築山枯山水(つきやまかれさんすい)

(画像は光明院)

築山式と枯山水式のミックス。

額縁庭園(がくぶちていえん)

(画像は光明院)

鴨居と敷居と二本の柱でできる枠(わく)を絵を飾る額縁のように見立てて、庭の風景を切り取る装置として設計された庭。(※この画像では柱ではなく障子で切り取ってますね)

借景庭園(しゃっけいていえん)

(画像は圓通寺)

元々そこにある風景を庭のデザインの一部として取り込んでいる庭。風景をお借りしているという意味。圓通寺の場合は比叡山を借景としています。

一応現役ガイドのはしくれですが、思いつくのはこれくらい。

受験生だったころ「誰や!こんなに名前つけたん!」とうんざりしていました。

できたら「ガイド試験勉強中のみなさん!こんなん覚えなくていいですよ!」と言ってあげたいですが、

ごめんなさい!

これ、必要です、、、。

ガイド仲間や専門性の高い人とコミュニケーション取る時に必要ですし、お客様の中にも知ってらっしゃってこれらの名前を使って質問される人もいます。

知っておくと役には立ちます。

ただ

私は庭の説明をするときにこれらの専門用語を自分からは使いません。

私が受験生のころにうんざりしたように、お客様の中にもうんざりする人がきっといるでしょうし、

私自身がときめかないからです。

代わりに、

『何のための庭か』という切り口で説明を始めています。

切り口

空海以降、日本の仏教の悟りに至る方法はブッダの方法ではなく、空海の方法が主流になった感があります。

空海の悟りに至る方法は『自然と一体化する』方法です。

空海の影響力はすごいです。

この流れは時代や宗派をこえて流れています。

その結果

日本の仏教寺院のほとんどの庭は、

『自然を強く感じ自然とと一体化するための庭』

と説明して差支えないです。

(ホントにほとんどです。このページでこれまでに画像で紹介した庭はすべて自然と一体化するための庭と説明して大丈夫。仏教寺院の庭に限らず、神社の庭や大名庭園でも使って差支えないです。ほとんどが空海以降に作られた庭ですから空海の悟りの影響を少なからず受けています。)

※通訳案内士合格を目指す人へ

ガイド試験ではよく(面接が多いかな)

『日本の庭園と西洋の庭園の違い』

の説明をもとめられますが、

よかったら、この『自然と一体化』そのまま使えます。

西洋の庭園は人工的な幾何学模様を表現しているものが多いのに対し、日本の庭園は自然の風景そのままを表現しているものが多い。なぜなら、自然を感じ自然と一体化する目的が日本の庭園にはあるから。

あと、

同じく試験に出る

『日本人はなぜ温泉が好きなのか?』

みたいな質問にも使えます。

無意識に自然と一体化したがる遺伝子が日本人にはあるから。みたいな感じでどうですか?

が、

やはり例外はあります。

例外のほうがずっと少ないので例外のほうを覚えちゃいましょう。そっちのほうが早いです。

例外

例外①浄土のイメージを持ってもらうための庭。

浄土系の宗派は、ブッダや空海の悟りに至る方法ではなく、浄土を信じ切ることによって煩悩を消し、悟りに近い状態になることを目的としているため、付属する庭は浄土を信じてもらうための庭だと考えていいでしょう。

平等院↓

三千院 有清園↓

雰囲気でなんとなくわかる気もするんですが、

もしわからなかったら、

本尊が阿弥陀如来なら浄土のイメージを持ってもらうための庭だと考えていいと思います。

例外②露地(茶室へのアプローチロードの庭)

露地は茶室という特別な空間を演出するための庭。

茶室に続くか、隣接しているのでわかりやすいかと思います。

↓大徳寺こほうあん露地

例外③空海ではなくブッダの悟りの追体験を目的とした庭。

数は少ないですが、

ブッダの悟りを追体験するための庭もあります。

京都でいえば

たとえば十輪寺(じゅうりんじ)

ブッダの悟りは状態は普感だと言われています。

普感とは

普く(あまねく)感じる

いろんな方向から見ると考えてもいいでしょう。

十輪寺では↓

いろんな角度から庭を見られるように設計されています。

普感を模擬的に追体験してもらうための庭と建物です。

ブッダの悟りを追体験してもらうための庭ということができます。

実は、さっき紹介した圓通寺の借景庭園。

自然と一体化するための庭のジャンルに入れて差し支えないといいましたが、

圓通寺の圓通も『あまねく通じる』『普感』の意味です。

その意味で考えると圓通寺の庭園もいろんな角度から比叡山を切り取るように設計された庭なので、こっちに入れてもいいかもしれませんね。

でもでも、

『普感』自体はブッダの悟りの状態を表現する言葉だと私は認識していますが、

空海も、自然と一体化することで『普感』の状態を手に入れたかもしれません。

もしそうなら

分かりやすいのでこの枠ごと『自然と一体化するための庭』に入れちゃってもいいのかもしれません。

皆さんの判断におまかせします。

さて

そろそろしめます。

私の切り口を紹介しましたが、

説明の切り口なんてものには正解はなく、

各ガイドさんが得意だったりときめいたりする切り口が正解だと思います。

もし迷ったら、わたしの『なんのための~』の切り口、わりとおススメですよ。

お客様の食いつきもよかったりします。質問で広がったりもしますしね。

では、

受験生の皆様。新人ガイドの皆様、マジで応援しています。

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