「京都でいちばんおススメの桜を教えてください」
ガイドにとっては結構恐怖の質問です。
ハッキリ言ってどれがいちばんかなんて決められないです、、、
でも
どうしてもひとつだけ挙げてくださいと言われたら
私は円山公園のしだれ桜

京都には代々桜を守り続ける職業の人がいます
『桜守(さくらもり)』と呼ばれます
歌舞伎役者さんのように名前が引き継がれます
その名は『佐野藤右衛門(さのとうえもん』

現在は16代目の佐野藤右衛門さん
一度全く偶然仕事中にお見かけしたことがあるのですが
カッコよかったです
その佐野藤右衛門さんが守っている桜のひとつがこの『円山公園のしだれ桜』
めちゃめちゃカッコいいです
桜も佐野藤右衛門さんも。

桜のシーズンの京都のシンボル的存在。
桜も佐野藤右衛門さんも。
※逆襲のガイド

歴史にそんなに興味ない人はこのブロック飛ばしちゃってください。
「佐野藤右衛門?佐野善左衛門と関係あるんですか?」
昔、歴史好きなお客様からいただいた質問。
この質問を聞いて興味が湧く人は歴史好きでしょうね。
質問をいただいた時点で(多分今もですが、、、)このお客様の歴史知識はガイドである私を超えていました。
佐野藤右衛門さんは今回ご紹介した『京都の桜守』
佐野善左衛門(ぜんざえもん)さんは、
250年前の日本の政治を江戸幕府の老中として取り仕切っていた田沼意次(たぬまおきつぐ)さんの息子の田沼意知(たぬまおきとも)さんを江戸城内で殺害したことで名が残っている人。
田沼親子は人々に嫌われていました。当時景気が悪く、生活が苦しいのは政治を取り仕切る田沼親子のせいだと思われていたからです。特に、田沼意次さんの政策が裏目に出て米の値段が異常に上がっていたのが有名な原因です。
そんなこともあって佐野善左衛門はヒーローになっちゃったんですよねえ、、、。事件のあとに(偶然?)米の値段が下がったこともあって。当時の日本人のクセで神道の神扱いだったらしいです。
そんな佐野善左衛門さんですが、
佐野藤右衛門さんの家系とは関係ありません。
佐野善左衛門さんは家系を辿っていくと藤原秀郷(ふじわらのひでさと)さんという平将門を追討したことで有名な1100年前の貴族を祖とする家系ですが(実は田沼親子も)、
佐野藤右衛門さんは200年前から始まった家系。それまでは京都の仁和寺の領内で農業を得意とする一族の家系だったらしいです。
この質問をいただいた時、私はガイドのマニュアル「次回までに調べておきます」で逃げましたが、実際ガイドの仕事に次回はないことが多いです。
ホントに今さらながらですが
この場を借りて自分自身にリベンジさせていただきました。
あの時のお客様、勉強になりました。ありがとうございます。
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